沈んだ時計塔

湖の底に 鐘が鳴る時を忘れた 水のなかでひとつだけ 針が動いていた誰も気づかぬ 夢の終わりに 水の中で 眠る町浮かぶ家、...

朝が来ない村

夜が降りたまま 日は昇らない時計の針も 眠ることを覚え火は消えず 影は消えないここは 朝のない村 人々は だんだんと夢を...

眠りの庭で

ひかりの届かぬ 庭の奥眠るものたちの 吐息が揺れる葉の上に残る 名もなき記憶それは だれかの 夢のなごり遠くで 水がこぼ...

白き祈り

夜の底に 沈む声名を失くした 風が鳴くひとひら 落ちた白い羽それは まだ熱をもっていたわたしは 歩く忘れられた廃墟の 骨...

夜のポケット

深く息をしてひとつ分だけ 今日をおろすまだ見えない明日のこと今は 夜のポケットにしまっておこうまぶたをとじて 耳をすませ...

End of Castle 

崩壊の鐘が 六度 鳴った塔は沈み 空は裂け祈りの石碑が ひとつ、またひとつ 崩れていく わたしは 剣を抜かない戦いは も...