この場所には ポストがない
空を飛ぶ鳥も 風も通らない
だから私は 返事のない手紙を
それでも書き続けている
インクは滲み 文字は消えていく
だけど あなたの名だけは いつも最後まで残る
それが 私の祈りの形だった
誰も見ないなら 言葉は消えるの?
返事がなければ 気持ちは嘘になるの?
そう自分に問いかけながら
今日も 封を閉じる
いつか 誰かが拾うかもしれない
流れ着いたこの便りが
遠く 見知らぬ誰かの心に
静かに 火を灯すかもしれない
だから私は もう返事を待たない
ただ 書く
届けるつもりで 書く
誰にも届かなくても